色のニュアンス

破損でお困りのアングル蝶番をお預かりしてきました。
左のGOLD色が破損した現物。
インターネットでいくら探しても見つからず、市内の老舗家具店にお取り扱いがあったので分けていただきました。
聞けばGOLD=「仙徳色」という色名だそうで、今は取り扱いがない物で「GB色」濃いブラウンを分けてもらいました。
あまり聞き馴染みのない「仙徳色」ですが
個人的にどこか親しみを感じる色味が気になって調べてみた所
「中国の明の時代に宣徳年間に研究、製作された青銅器の着色に由来し、その年号が語源となっている」そうです。
本来の色出しは青銅器を加熱した上から鉄錆汁や植物染料汁を繰り刷して皮膜を作るという大変な工程ですが、かつての鋳金の最も代表的な着色法だったそうです。
なるほど神社仏閣などで何気なく慣れ親しんできた色味なのかもしれないですね。
蝶番の様な裏方部品にもかつての作り手の拘りが垣間見れた様な気さえします。
松久建築BUILD DESIGN